方言が強すぎて意思疎通困難事件(412日目・8日付け/エジプト)

長濱良起

2010年06月11日 16:17



日本でよくある光景として、例えば105円の商品を買う時に、505円を払って400円のおつり、みたいな、そういう場面は生きていて何回も出くわすと思うのですが、国外だったらだいたいにおいてそれが通用しません。

円で話をしますが、
例えば上記のようなパターンで505円を出そうものなら、「500円で十分足りてるだろ~」みたいな感じで苦笑いされて、アホと思われて終了です。引き算が出来ないヤツと思われるのが悔しい。というか、こっちが実はもっと「高度」な引き算をしているのに、悔しい。

というのも、おつり不足だったりと、なんだかんだでコインの方が便利なので、僕らのように「小銭をジャラジャラさせたくない」っていう感覚はあまりないだろうと思います。




同じ宿には、現在韓国の人がたくさんいます。

今は日本人向けの宿に泊まっているのですが、日本人宿には韓国の人が結構来たりします。

日本にいるときは、韓国の人は「外国人」という認識でしたが、こうやって色々な国や地域、文化圏を回っていると、世界のバリエーションを色々知ってしまって、もはやもう韓国人を見ると仲間意識を感じずに入られません。


まず、顔が同じ。
厳密には顔つきなんか少し違いますが、旅先で会う分にはもう、細かい事はどーでもいいです。「同じ」です。

あとは、年功序列的な考え方も似ていますし、他人の敬い方に関しても似ている部分があります。モラル面も基本的には日本人とほぼ一緒だと思います。なので、何を考えているのかが大体分かる。
日本ではあまり見られない、個人主義的な部分や、人との距離感が近すぎて時に無礼に感じる部分など、そういうものがなくて、僕らからすれば似ているので、かなり楽です。

そのような相似性から、抱える社会問題なんかも非常に似ている。


大げさかもしれませんが、旅の間なんかはもうこの際、同じとして考えてもらっていいかもしれません。


そして彼らは日本語の話者が多い。
「日本語」を学習してくれるという事は、それはそのまま「日本に興味がある」という事。
理由はさまざまでしょうが「僕たちとコミュニケーションをとりたい」とそう思ってくれているという事の証なのだと思います。

なので、日本語を話す外国の人に会ったら、
「日本語上手ですね。スゴイですね」だけではなく、必ず一言「ありがとうございます」と言いたい。

外国語を習得するということは、容易いことではありません。今、日本語の国にいない僕は、この事を身を以って言えます。自分で学習しないといけないし、練習しないといけない。そこまでの努力をしてもらって、僕らの母語「日本語」で話してもらっているんです。本当にありがたいと思います。




韓国の首都、ソウル出身の李さんという人がいます。
彼はカナダで1年ほど日本の女性とお付き合いをしていたそうで、会話してたら日本語が出来るようになったといいます。
そして、韓国の第二都市、プサン出身のピーターさんがいます。彼は日本語は話せませんが、英語が上手です。


この2人が会話をしていました。その会話が終了してお互い別々の部屋に戻った時のことです。


李さん「ピーターさんの話す韓国語、半分しか分からなかった」



その時の僕の心境(えぇ~!!!!)



韓国語同士なのに、何言っているのか分からなかったんだと言います。

プサン方言は、アクセントのみならず語彙にもかなり特徴があるみたいで、ピーターさんはそれをそのまま使っていたので何を言っているのか分からなかったんだそう。それだったらまだ北朝鮮の言葉の方が理解できるみたいです。
ソウル方言は標準語ですのでピーターさんも理解できて、そっち方向のコミュニケーションは簡単だったんだと思いますが、その逆が難しかった。

しかも重ねて李さんいわく「彼のは特別何言っているかわからなかった。あんなに分からなかったのは人生で初めて」。


東北のおじいちゃんと沖縄のおじぃが日本語で話したらこうなるんだろうなぐらいの勢いでした。韓国は基本的に陸続きなのにこんなに多様性あるんだなと驚きでした。



そして今日は、ソウル人からすれば何言っているか分からない男こと、ピーターさんのラストの日。彼はヨルダンへ行くといいます。ちなみに左端がピーターさんです。




いってらっしゃい! 

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