おととい、エリック少年からもらった琥珀の指輪。よしき青年は皿洗いを始めた。はめていたそれを無くさないように大事にポケットにしまう。
小一時間が経っただろうか、ふと指輪をポケットにしまった事を思い出し、それを取り出そうと左ポケットに手を突っ込んだ。そしてそれをまた元の指にはめる。
「あれ?石がない!」
正直に言いましょう。
指輪の石の部分を無くしてしまいました。かなり痛い。もらって2日で紛失してしまいました。申し訳ない。申し訳し、悔しい。
しかも今日はおにぎり屋会場で彼らと会う約束をしているので「指輪は?」ともし言われたら返す言葉がありません。一応「無くしたら大変だから保管してる」と言おうかどうしようか。
で、その約束というのも、昨日2人からペンダントと指輪をもらったので、なんかお返ししようと、とりあえずのお返し第一弾を渡そうという魂胆です。
話は前後して、僕が旅に出る前に協賛企業をぶしつけながら募っておりましたところ
「アイラブオキナワ」という企業さまからご賛同頂きまして、その際に「これも持って行って下さいー」と、Tシャツをたくさん頂いたのでした。それで僕はそのうち何枚かを旅に持って行っている訳であります。
で、僕は彼らに「いつか沖縄に来いよ!!」の意味も込めてそのTシャツをプレゼントする事にしました。それがそのお返し第一弾です。
おにぎり屋さん&似顔絵屋さん&書道名前書き屋さんの帰り道、
歩いていると背後からある少年が声をかけてきました。この少年は、似顔絵を描いている様子を少し離れたところからずっと眺めていた少年でした。みんながいる前では恥ずかしかったのかそうじゃないのか、理由は定かではありませんが、彼は携帯電話の待ち受け画像になっている彼女の写真を我々に見せ「似顔絵と名前を書いてほしい」といいました。
彼の名前をホセといいます。優しい目をした彼は「彼女にプレゼントするんだ」と言いました。
こっちとしても心が温まってしまって、ホセが彼女にプレゼントする様子が目に浮かびます。道端ではございましたが、ゆうすけさんとむこさんが一生懸命描いて彼へと託しました。
こんな感じ。
彼に別れを告げ、僕らはまた家路へと向かうと、数分後、背後から声が聞こえます。
僕らを探していたホセ、本日2回目でした。「自分の名前も一緒に入れて欲しい!」
彼女の似顔絵に自分の名前も一緒に入れて欲しいとの事で、再度名前を入れ直し、ついに作品は完成しました。
真の完成品。彼女の名はサライ。
いったいどんな顔で渡し、どんな顔で受け取ってくれるのでしょうか。
夜は夜で、似顔絵と名前書きだけをしに町の中央広場へと行きました。
やっぱり昼と夜では町の感じも違います。昼は結構名前書きがメインで売れるのに、夜の肌寒い感じは温かい何かを求めるのか、家族やカップルで2人一緒に似顔絵を描いて欲しい、という注文が多かったです。
カップルなのか夫婦なのか、それは置いといてとにかくこの2人は愛し合った2人でございます。
父と子。
お父さんのフリオ氏は以前アメリカの
ニューヨーク州バッファローで6年間程働いていたといい、英語を話します。僕もバッファロー行きましたよ、と言うと話も盛り上がりました。
昼も夜も、たくさんの笑顔に触れましたとさ。