「北朝鮮から来た」(480日目・15日付け/ケニア)

長濱良起

2010年08月22日 01:41



今日日本から来ましたという、感じのいい大学生ごっつあん

彼はインターンシップ先がルワンダという事で、大学を休学して半年間ルワンダで暮らす予定です。トランジット的にケニアに来ています。彼は旅慣れていて器用に物事をこなします。

彼はiPhoneを持っています。
今、日本ではほとんどの人がiPhoneを持っているのだそうな。

「日本の事教えて?」と僕が問うと、
「今、iPhone4が出てるんですよ!」と答えてくれますが、
そもそもiPhoneに4とか3とか番号が付いてる事すら知らなかった僕は、驚きたい気持ちこそありますがそれに乗っかる事が出来ずに非常に残念な結果となってしまいました。


 大使館街にあった何かの建物


再三に渡ってこのブログで書いている気もしますが、もはや世界レベルで見ると韓国の人は、国民性・割合としての話、感覚がかなり日本人的なので僕らとは気が合う人が多いです。顔も似ているし安心感もある。

ごっつあんも今までの旅でそう思ったかそうではないのか分かりませんが、韓国人に好感を持っている1人で、韓国人がかけてそうなメガネを敢えてかけています。


そんな僕らが2人で街を歩いていました。


よく僕ら東洋人は「チャイナー!」と声をかけられます。その瞬間には僕のアイデンティティが発動して「ジャパン!」と反応するのですが、韓国が好きなごっつあんは、さっきまでたまたま韓国の話をしていたのもあってか「チャイナ?ジャパン?」と聞かれて「コリア」と答えていました。
「ノース?サウス?」と聞かれた彼は「サウス」と答えますが、なんか僕は自分でもよく分からないまま試験的に「ノース」と言ってみました。要は、僕は適当に受け答えをした結果「北朝鮮から来た」と答えた、というわけです。

すると、返ってきた答えは「おっ!お前ポケットに爆弾持ってる悪いヤツだろ!?」でした。


よしよし、仮に僕の国籍がマジで北朝鮮だったとしましょう。そして外国とか行けるような状況で、ケニアに興味を持って来ているとしましょう。そんな状況でそう言われたら悲しすぎる。
だし、もし将来的に日本と北朝鮮との間で国交が樹立されて、北朝鮮人である僕が日本に来たとしましょう。みんな僕の国籍だけで警戒して友達になってくれなかったりしたら悲しすぎる。


僕が今こうやって旅をしている大きな理由の1つが、実はこういうことなんです。
「くくり」と「個人」とを分けて考えようよ、って点なんです。

旅に出て、僕の仮説と大きく違った点があるとすれば、それは「国民性・民族性」の存在です。
しかし、決定的な部分ではどこ行っても何も違わないと断言できる。「
平和を愛しています」「やっぱ辛い事よりかは楽しい事の方が好き」「休みの日は家族や友人と遊ぶんだー」みたいな、そういう部分は一緒です。


北朝鮮の人だってそう思っているに決まっています。そうです、決まってるんです。

誰が四六時中寝ても覚めても金正日の事を考えるでしょうか?いるとするならばそれは正日氏の身近な人物ぐらいでしょう。



そういう事なんです。そういう事に僕は主眼を置いて旅をしています。

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